オベロンについての質問と回答 11
「オベロンはなんで召喚に応じたの?」はこのサイトの【質問と回答⑥】の一番下のほうで話してあるので、よければそちらも参照してみてください。
私は多分、最後のあの一瞬汎人類史の空が美しいものに見えたとしても、だからといって彼が汎人類史を好きになることはないと思う。カルデアもマスターも人理を救うという目的もオベロンにとってもずっとどうでもいい、気持ち悪いものであり続けてほしいな……でもまあ来ちゃったものは仕方ないから居てやるか……嫌だけど……ぐらいの消極性な気がします。
これも話題になりましたね〜。
おそらくみんな分かると思うので引用は省きますが、全編、全資料合わせてオベロンが平仮名の「きみ」を使っているのは今のところ4箇所のみです。
①30節・対ティターニア
②30節・対ティターニア
③召喚台詞・対藤丸立香
④竹箒日記・対プレイヤー(メタ発言)
一番分からないの竹箒日記ですよね。これなんで平仮名なんだろう!? どう見ても特に理由があるとは思えない……
④があるので、「『平仮名きみはティターニア専用』というような明確な使い分けはされていない」と考えています。
今回LB6のシナリオをwordにガーッと書き出す作業をしていてそれが今のところ4万字ぐらいあるんですが、奈須先生の言葉の使い方にはなるほどなあと思うところがありました。
例えば「こと/事/コト」「出来る/できる」「わけ/訳/ワケ」「とき/時」etc...について、漢字を開いたり閉じたり開いたり閉じたりしていて。それは発言者の口調だったり、その場の雰囲気だったり、テキストにしたときの字面だったりで変えられているのだと思います。特に理由のない箇所もあると思うけど。「そういうこと/そういう事」の使い分けとかもう理由、無くない?
そういう視点でいうと上記の①・②を平仮名きみにしたのはあらゆる意味で正解だと思う……誰が見たって「ああこれはオベロンの本音なんだな」と思うから。
正直③が平仮名なのも分からないけど、まあ④のことがある以上ティターニア限定の表記なわけでもないのだろうな〜。ちょっと気が抜けてるときにそういうニュアンスになってることの表現なのかな。
イシュタルの「遥かな過去に輝いた誰かの人生を、何千年も経った現代で受け取っている」という言葉を見るに、この場合の「星」=輝いた誰か、は英霊のことじゃないでしょうか。
「私たちを観測するのではなく、私たちを識りたくて、アナタたちは手を伸ばした」
星/天体/天文台に関して使われる「観測」という言い方もそうですし、後半も「星に手を伸ばす」とかけているのでしょう。すなわち「私たち」=英霊、サーヴァントが星という言葉で表象されていると思いました。
かつてこの世界を生き抜いた英雄、その輝かしい在り方。カルデアは英霊をただ利用するためではなく、その星のような光をもっと識りたいという理由で召喚/行動を共にしている。だから協力してもいいと思った。
そういう話だと読みました。星見のカルデア概念、良すぎるな……。
あ、アルトリアを見てワーッ救世主概念最高となってしたツイートではあります!
ただアルトリアは自分を信じてくれる人々に対して「理解できない、訳がわからない」だけじゃなくて、ロンディニウムでそうだったように純粋な感謝も持っていたりするので。
「予言の子」に縋るしかない弱い人たちの気持ちも全く分からないわけではない。「どうして自分なんかに」「どうしてここまで」「そんな重いものを被せないで」という気持ちから理解を拒んでいる、の方が適切なような気がしたからです。
微妙な違いだけどね。私は自己卑下でも自己防衛でもなく、ただただ本気で信仰が理解できないし自分を囲む何もかもが異常な光景にしか見えない救世主さんのほうが好きだったから。それで……存在しないキャラクタ〜の話を……。
オベロンの方がこっちに近かったのおかしいって……こんなことある……??
前提
・オベロンはホームズ的な推理の天才ではないので、呪い云々関係なく普通に「こうなるだろうな〜」と思ってた推測が外れることもある
・オベロンにとってもブリテンの旅は「予想外の連続」だった(まあこれは実際そうなので本心でしょう)
①「救う側」
オベロンは初めからブリテンを滅ぼすつもりです。カルデアが救う側になんかなれっこないということを理解しており、その上で「君たちは救う側だ」と発言しているので、これは「救うがねじ曲がったから滅びた」のではなく、単純にオベロンの意図的な詐称でしょう。
②マシュの件
これは単純に「思い出すわけないだろう」というオベロンの推測が外れた形でしょう。ここで彼が「マシュはじきに君のことを思い出すよ」と言っていたらそれがねじ曲がって「思い出さない」という風に事象が改変されてしまうのか?そんなことはないはずです。
また、このとき藤丸はマシュのことを気にしてモルガン打倒に集中しきれていないので、「早く諦めさせてやった方がいいだろう」という思いも込めて、わざわざキツい言葉をかけたのだと思います。
③ノリッジについて
「オベロンがノリッジは滅ぶと思っていた」理由は「予言でそう言われているから」なので当然そういう発言になるでしょうが、
エインセルの予言が外れた理由は本当に分かんないです。ごめん。
とはいえ、エインセルの予言で外れているのはここだけで、オベロンはノリッジ以外にもブリテンの全ての情報を集めてきて「ここはこうだった」とか「これからこうなるだろう」ということを語ってくれていました。
それら全てがねじ曲がった(嘘になった)かと言えば、そんなことはないはずです。
④失意の庭
失意の庭のオベロンはオベロンではないと竹箒日記で明記されているのでノーカンで。
⑤「共倒れだっていい」
これはなんか……現在の事実でも未来の推測でもなく「これでもいいし、あれでもいい」という「意見」なので、オベロンが事情改変ができると仮定してもこの言い方では事象に影響させることはできない気がします。
「今日の夜ごはんは(オムライスでもいいけど)ハンバーグでもいい」
みたいな文脈だからね。
>うわっオベロンの言うこと全部外れてる……
まあ……オベロンもほぼ何の情報もないままブリテンに召喚されて色々頑張ってその上で予想外のことばっかり起こりまくったから仕方なかったよね……よくやったよね……。
あと、ハムレットに興味を持ってくださってありがとうございます!ぜひぜひ〜!
こちら前回一旦保留にしていたもの。
すみません。めちゃくちゃ考え直したんですが「人やもののある一面を好ましく思うこと」という定義なら、好意はあるかもしれないです。というのも、
オベロンは全てに吐き気を催す性質で何にも愛情を抱くコトはないけれど、「美しいものを美しいと思う感性」は持っている。
そうでなければ星の輝きの眩しさに目を細めることなどできないから。ひとまずこの場合の星はアルトリア他、「輝かしいもの」全般を指してそう表現させてください。
最後、汎人類史の空を「吐き気がするほど綺麗じゃないか」と言ったときオベロンの胸の中にあったのは、終末装置としての理性ではない、本能的に美しいものを美しいと思ってしまう感性だったのではないでしょうか。
オベロンにとってこの世界は搾取や欺瞞に溢れていて、見るに耐えないほど醜いものに映ります。それは悪意も善意も同様で、「本音と建前の混ざったもの」や「動機と結果がねじれているもの」などに彼は強い嫌悪感を抱く。
でもそれは裏を返せば、潔癖すぎるのだと言うこともできるはずです。
そもそもからして欺瞞のうえに成り立っていた妖精國。その歪みを無視して生き続ける妖精たち。それが気に入らないオベロンは、「その歪みを正す」ことを目的に産み落とされたものです。ある意味で誰よりも、まっすぐであることを望む人。
汎人類史を滅ぼす理由にしてもそう。私たちが「そういうものだから」と何となくの理由でやっている搾取を、彼は許せなかった。根底にあるのはやはり正しさや歪みのなさを求める潔癖性のような気がするのです。
潔癖が行きすぎると最終的に世界を憎む/滅ぼすしか無くなるのは、テラのアルキメデスさんとか私がいつも言ってるハムレットくんとか、そのあたりと同じ道筋を辿っているような感じがある。そしてそういうオベロンが歪みも偽りもない、まっすぐなものを幾許か好ましく思うのは自然なことではないでしょうか。
そういうことで、すみません、多分彼に「好ましいという感情」はあります。正確には「美しいものを美しいと思う感性」。
しかしながら彼がいちど汎人類史の空を綺麗だと感じたとしても、だからと言って汎人類史を好きになったり、愛したりできるワケではない。ある種尊く思うことはできても、それ以外のたくさんの欠点のせいで愛せはしない。
>ひとまず「愛」は、相手の"全存在を"肯定すること。「好意」は相手の"ある一面を"好ましく思うこと、ぐらいの違いはあると思います。
前回の記事より。このような理由で、「好ましく思う感性」はあるけれども「愛情」を持つことはできない、が私の結論です。
「オベロンがアルトリア好きなのはわかった」は、おおむね好意の認識だと解釈できるでしょう。アルトリアの転びながら、悲鳴をあげながら、それでも心だけは潔く星を目指し続けていたところ。あるいはその不器用さ。そういうものに対してオベロンは愚かだと眉を顰めつつも好ましい思いを抱いていたのじゃないかなあ。
だけどだからって"アルトリアの全人格"を好むことはできない。(一応彼女の人格を基にしたものである)A・Aとの問答が、彼らが決定的に相容れないことを端的に表現しているように。「思想に違いがあってもその違いごと愛せる」人も世の中にはいるだろうけれど、オベロンの場合にはその根底に持つ思想(生物と世界への嫌悪感)が占める割合がすごく高いから、そちらを無視することはできないのでしょう。
ゆえに、「一面的には好ましいと思うところもあるけれど根底において相容れない」「だから好ましく思っている自分の本能的な気持ちの方を削除したい」→「心底から嫌いなわけではないがどうでもいい、という自認」に持っていっている気がします。
それでいくと「吐き気がするほど綺麗」はその両方の折り合いをいちばん上手くつけた発言でしょうね。よかったなあ…。
明確な根拠を引き出しようがないので考察というよりはもう個人的見解ですが、だいたいこんな感じで。
やったぁありがとう!
あれは実際魔力切れだったんじゃないかな?と思ってます。ドラケイがあそこでオベロンだけを特別扱いする理由も、必要もないはずなので。
「オベロンに欲しいものはないから」というのも多分違くて、ブリテン崩壊のためにちまちました働きをするのに欲しいモノとかはあると思う。
あるいはもっと本質的なもの……今すぐ全てをブチ壊せる手段。ティターニアにまつわる何らか。仮にそういうモノを望んでいたとしたら、あのシーンのギャグ感にはまったくそぐわないことになってしまうので。アルトリアを超えるシリアスになっちゃうので……そういうメタ的な理由もあるかな〜と思っていました。
「あるけどお前には売れない」じゃなくて「売り切れ」なのでそういうことでいいと思います。
一応私やオベロン審議会メンバー(フォロワー)たちも「絆6マテリアルの記述自体が嘘なんじゃないか?」という路線で検討をしていたことはあるんですよね……。だってあの記述ちょっと悪意的すぎるというか、メインシナリオ内のオベロンの言動と矛盾するところがかなりあるので。
ただ、一応サーヴァントのプロフィールは半分くらいメタ的な資料ということもあって、結論としてはあれを疑ってはいないです。
「もしマテリアルの記述を信用したうえで、それと本編内での言動が矛盾しないとしたら、どういう解釈があり得るか?」
私の出している考察Q&Aの2枚目はそういう議論から生まれてきた話でした。結果、どちらも矛盾しないことになる落とし所がひとまず見つかったのです。「いやそれでもマテリアルの記述は嘘だ」と言える根拠が今のところない以上、本編内の言動とマテリアルの記述どちらも正しいと言える今の解釈が、一番それっぽいような気はします。
でもやっぱりちょっと信用ならないよね絆6マテリアル。嘘は言ってないにしても書き方がいちいち悪意的なんだよなあ……。
あ、それはその通りです。「ティターニアに似たもの」が誰を指しているのかという話をずっとしていましたが、前提に「オベロンは自分ではそれを認めることができなかった」があるのは確かなので。
でも書き方として「認めなかった」ならそれは自分の意思で選択した結果だけれど、「認めることはできなかった」なら"そうしたかったけれど、理由があってできなかった"という意味になるでしょう。
私は汎人類史を滅ぼす目的はティターニア本人のためだけのものであって、それには「似たもの」の存在は関わりがないと考えているので、後半もおおむね同意です。
でもアルトリアを搾取する村人その他諸々に関しても、その段階ではブリテン崩壊チャートを優先するために実行できなかっただけで基本的に「キッショ、滅ぼすぞ(殺すぞ)」の気持ちはあったと思います。
30節「その厚顔さ、生き汚さに吐き気を覚える」「気持ち悪くて仕方がない。それこそ、厄災をバラまいてでも、根絶したくなるほど」という表現はブリテン島が抱いている感情についての表現ですが、そこから生まれたオベロンもまた同じ感覚を抱いていたものと思われるからです。
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今回めちゃくちゃ長いね。ここまで全部読んだ人がいたらすごい。この記事群も①、②……って表記してたのが11まで来ると記号が無くなっちゃったんだわ。困った。
ちなみにマシュマロは近日中に締め切る予定です! みなさんここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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